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【良スレ】欅坂46・守屋茜「バトルロワイアル?」【中編・2】

 

245: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 16:43:45.48 ID:/vDatM+/a

第五話(後半)

澤部「バゴーン!!」

壁を突き破るような第一声から番組が始まりを告げる。

澤部「今週も始まりました!欅って、書けない~~~~!!」

土田「よっ」

澤部「どうもー司会の澤部とー」

土田「ドデンコウノ」

澤部「ドデンさんです!よろしくお願いします~。そしてこいつらが欅ちゃんだぃ!!」

カメラがメンバーを左から右へ映していく。
右端で止まり今回はポージンズのみだったが最右端に座っていたので即興で一言加える。

守屋「シュオクセン?」

真似をして訓読みで名前を言ってみた。

前編→【良スレ】欅坂46・守屋茜「バトルロワイアル?」【前編】 
中編→【良スレ】欅坂46・守屋茜「バトルロワイアル?」【中編】

246: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 16:46:49.98 ID:/vDatM+/a

澤部「守屋ァ!中国人みたいになってからぁ!」

突っ込まれて笑うとクシャ顔になり舌を見せる。

澤部「早速今週の企画を発表しましょう。今回の企画はこちら、○×△◇選手権~~!!」

庄司『ルールは簡単。〇して×になって△すれば◇というわけです。負けたら罰ゲームのビリビリチョーカーです』

こんな感じでO.Aではお馴染みの声優が細かいルール説明をするのだろう。

土田「では澤部さん。まずはお手本を」

澤部「いやいやっそれはおかしいでしょ!待ってくださいよなんで俺でがそんないいですってもお~~」

愚痴を言いながらもちゃんと前へ出て罰ゲームのチョーカーを装着する。
チョーカーを着けている澤部が可笑しくて可愛いかった。

守屋「かわいい~~!」

猫なで声で煽ると、他のメンバーも手を叩いて黄色い声で合わせてくれる。
カメラが寄り、O.AではコミカルなBGMを合わせてくれるはずだ。

 

247: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 16:48:55.91 ID:/vDatM+/a

笑顔で乗ってくれていた澤部は突然キレる。

澤部「コルァアアッ!!」

欅「きゃははははははははは!!」

一喝するとスタジオが笑いに包まれる。
鉄板ネタなっているが間違いのない笑いに安心する。

澤部「マジで殺るぞ!!」

守屋「え――?」

みんなは笑ってるが、それが冗談に聞こえなかった。

守屋(何……?この胸騒ぎ…………。私、何か大切なことを――……)

忘れてはいけないことを思い出せないもどかしさと不安が押し寄せる。
視界の端で誰かの首が床に落ちるのが見えた。

守屋「!?」

振り返って見てみると皆ちゃんと首がついている。当たり前だ。
一瞬それが詩織に見えたけど見間違いだったようだ。

 

248: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 16:52:59.86 ID:/vDatM+/a

疲れているのか、無添加や体にいいものを摂ろうと考えているとボトッと聞いたことがある音がし、足元に何かを落とした気がした。

守屋「ヒィ……!」

それは右手だった。

守屋(だ、誰の?……わ……私の――ハッ)

また見間違えたのかちゃんと手はついており、握ったり開いたりして確かめるが何ともない。
でもこの胸の高鳴りは何だ。

確か私たちは島に連れられて――。

守屋「…………」

菅井「!どうしたの、茜?」

無意識のうちに立ち上がっていた。

 

249: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 17:05:16.52 ID:/vDatM+/a

澤部「なんだ守屋、どうした?」

守屋「……。夢だ」

菅井「ユメ?」

守屋「辛い現実と……この幸せな夢。楽しくて温かくて愛しいみんながいる。こんなところにいられるなら死んでもいいかもって思ってしまう」

今泉「茜ちゃん……」

齋藤「茜……」

守屋「気づかなかった。ここがこんなにも幸せだったんだということに……。気づいていたらもっと必死になってたと思う」

澤部「もう遅いんだから楽になれ?な?」

悪魔があの世へ誘おうとしてくるが拒否する。

守屋「どんなに過酷な現実が待ち受けていようが私が求めるモノはここにはない!!!」

 

250: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 17:06:34.38 ID:/vDatM+/a

全てを思い出すと右手が消え体に穴が開き血涙を流す。
痛覚が蘇り生きてることを実感する。

守屋「私は生きたい!!!!」

懐から拳銃を取り出して連射する。

守屋「ぅおおおおあああああああ!!!!!」

カメラを撃つ。マイクを撃つ。澤部を撃つ。
弾は空間にめり込み、歪が生じてひびが入る。
亀裂が広がり景色はガラスのように割れ落ち、真っ暗な闇に包まれる。

――痛い、怖い、寒い、辛い……。

それでも傷つきことを怖れはしない。何があっても怯まない。
例え何が行く手を阻もうとしたって、生きることを諦めない。

その時、暗闇の先に小さな光が見えた。
そこへ手を差し伸ばすと体が光に包まれ、誰かが呼んでいる声が聞こえる。

??「守屋!」

 

251: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 17:09:00.87 ID:/vDatM+/a

2018年2月23日
01:00

目を覚ますと傍らで手を握ってくれているメンバーがいた。

米谷「守屋!!」

守屋「よ……、よねみ……?うっ……!」

頭が痛み、手を当てると包帯が巻かれてあった。

米谷「どっか痛むか?一応鎮痛剤打ったんだけど……」

守屋「ちょっと頭が……。でも、大丈夫……」

辺りを見渡すと診療室のようなところにいた。
記憶を遡り、夕方のことを思い出す。

守屋「これ……よねみが?」

スカートにYシャツのみの恰好で寝ており、頭、右手、右腕、左肩、胸に包帯がグルグル巻きにされていた。
右目にも眼帯が着けられている。

特に一番気になったのは右手だった。

 

252: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 17:13:42.49 ID:/vDatM+/a

右手は手品でもなんでもなく失っている。
当たり前に動かせていた手が消え、喪失感に襲われる。

米谷「……堪忍な。傷口からばい菌が入るとあかんし止血せなあかんかったから、消毒して縫い合わせるしかなかった……」

頭が良いとはいえ理系女子高生に医学の知識があるはずはない。
ここにあった誰が用意したか分からない本を一生懸命読みながら縫合治療を行ったのだ。

守屋「あ……ありがとう……!よねみがいなかったら私、死んでたから……本当にありがとう!!」

米谷「そう言ってくれると助かる。欠損部があってちゃんとした病院ならくっつけられたかもしれへんのにな……」

守屋「命があるだけで十分だよ!」

米谷「……。水持ってくるから待っとって」

米谷は飲料を取りに退室する。
一人になり身体の事を改めて考える。

守屋(これでアナウンサーになる夢はもう――)

夢を断たれた守屋は号泣する。
アナウンサーの条件には五体満足でならず、永遠に断たれてしまった。
女子アナはおろかアイドルにだって復帰は難しいだろう。
全てはこの島を脱出できればの話ではあるが悔しくてどうしようもなく泣かずにはいられなかった。

守屋「ぁああぁあぁぁああぁぁん……!!」

 

253: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 17:16:16.70 ID:/vDatM+/a

米谷「……」

米谷は廊下で泣き声が止むまで待っていた。
彼女なりの優しさで赤く目を腫らした守屋と対面しても特に何も言わず聞きたかったことを訊ねる。

米谷「ソレ誰にやられたん?」

守屋「……友梨奈だよ。あの子に斬られて、撃たれた」

米谷「平手か……」

守屋「由依は友梨奈に殺された」

米谷「そうか……。小林も……」

守屋「も!?ってことは……?」

米谷「実は上村に会ったんやけど、目の前で平手に殺された」

守屋「!!……私が眠ってる間に二回放送があったよね、18時と0時の……。誰か、死んだ……?」

上村以外に誰もいないことを願いながら聞く。
乗り気になってるメンバーがいることからその願いは儚く散る。

 

254: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 17:18:15.71 ID:/vDatM+/a

米谷「……。18時の放送で今泉」

守屋「!!!」

横たわっていながら全身の力が抜けていく。
小林の死の間際に今泉のことを任されたことを思い出す。

守屋(由依……、ずみ子は守れなかった……。ごめんね……っ)

米谷「……続けるで。0時の放送で3人。上村、菜々香、梨加――」

守屋「ぁ……っ」

小さい吐息のような声が漏れる。
当たり前のことだが、死んだ人とはもう会えない。
一昨日まで普通に何気なく話していたメンバーはもういない。

日常なら立ち直るのに何か月か要すだろうが、今日死ぬかもしれないので落ち込んではいられない。
死んでいったメンバーのためにも生きようと気を確かに持つ。

 

255: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 17:20:56.53 ID:/vDatM+/a

米谷「大丈夫、なわけないか。自分も殺されかけてるんやからな」

守屋「だいじょぶっ……。多分、ずみこも友梨奈にやられたんだと思う……」

米谷「今泉に会ったの?」

守屋「ううん。でも平手から逃げるために鬼ごっこしてたら途中で追って来なくなったの。あの時きっと誰かが……ずみこが助けてくれたんだと思う。だから私は今生きているんだ……!」

守屋はこれまでの出来事を細かく話した。

分校を出てすぐ石森が殺されていたこと。
朝、齋藤と長濱と遭遇し仲間になったこと。
ゆいちゃんずを助けに二人と離れてしまったこと。
小林と死ぬ直前に話したこと。
渡邉と遭遇し撃たれたこと。
ずっと森の中に潜んでいたこと。
そして、平手と戦い命辛々逃げ延びたこと。

米谷「大変やったんやな……」

守屋「友梨奈の武器なんだけど、日本刀とどういうわけかねるが持っていたマシンガンを持ってたんだよね」

米谷「おそらく冬優花とねるは平手に襲われて、冬優花は殺されねるが逃げたってところか」

守屋「ねる……大丈夫かな……」

世界で一番愛していた人を目の前で殺された心境など計り知れない。

 

256: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 17:22:37.79 ID:/vDatM+/a

守屋「よねみの武器は?」

米谷「うちはしょぼい十手と、これ」

米谷は傍に置いてある眼鏡を持ち上げて見せる。

守屋「メガネ?」

米谷「これは探知機や」

守屋「た、探知機!?」

米谷「チョーカーのGPSを半径15メートルくらいの範囲までは探れる」

守屋「すごいね!!」

米谷「ほんまに悪運が強いな」

守屋「?」

 

257: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 17:26:20.72 ID:/vDatM+/a

米谷「ギリ範囲内だったから気づけたけど、これがなかったら外で犬死してたよ」

守屋「危なかった~~!!」

米谷「……。実は医療なんてしたことないし、素人目から見ても出血しすぎててこのままじゃ危ないって分かって探しに行ったんや。血を」

守屋「ち、って血ィ!?」

米谷「守屋と同郷で同い年で同じ血液型の虹花のことを思い出して、死体があった場所へ行った時に上村に会って」

守屋「そこで会ったんだ!?」

米谷「で、少し話してたら平手が来て容赦なくマシンガンをぶっ放して来て、上村は撃たれうちは虹花を楯にして助かった」

守屋「私たち二人とも虹花に助けられたんだね……」

唯一の同郷だけあって、血が馴染んでいる気がした。
心の中で石森へ礼を言う。

 

258: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 17:28:51.01 ID:/vDatM+/a

米谷「諦めかけた時に平手と目が合った。あいつはうちだと判ったら撃って来なくて……その隙に逃げた」

守屋「あの友梨奈が……」

米谷「無事血を持ち帰って、茜に輸血できたってわけや」

守屋「……。虹花とは、あんまり絡むことはなかった」

米谷「あれ、なんでなん?ツーショットとかあんま見いひんし」

守屋「意識しちゃってたんだよね、同じ宮城出身だから。馴れ合いはしないようにと思ってて……」

米谷「そうやったんやな」

守屋「そうだ!ねる!」

米谷「!ねるがどうした?」

守屋「ねるが脱出方法を知ってるの!!」

米谷「!?な、に……?」

 

259: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 17:30:52.26 ID:/vDatM+/a

守屋「脱出するには条件があるとか言ってたけど……」

米谷「ど、どんな条件!?」

守屋「えっと~二つあって、一つがねるたちのグループが最後まで生き残ること。もう一つは聞きそびれて別れちゃったんだ……」

米谷「何やそれ…………?」

守屋「分かんない……。でも、ねるの目は本気だった!」

米谷「……」

脱出方法について、真剣に考え始める。
米谷も隠し持っているチョーカーのことはもちろん守屋にバレるわけにはいかない。
その点においてもしかしたら自分と同じ脱出方法なのかと考える。
いずれにしても、長濱に会って筆談するしかない。

守屋「ねると再会して、友香と一緒に脱出したい!」

米谷「友香か。まだ生きてるとは思うけど、どこにおるんやろ」

守屋「灯台に行こうと思ってるんだよね。よねみ、一緒に行ってくれない?」

 

260: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 17:34:44.20 ID:/vDatM+/a

米谷「……。いや、うちはこの足やし、まだここでやることがあるから」

平手の乱射した弾丸の一発が足を掠めたことを理由に留まることを伝える。

守屋「ああ……。ずっとここにいてくれる?」

米谷「ここも長居はできない。平手も無敵やないからな、いずれ来るだろう」

守屋「そんな……、どうすれば――」

米谷「そうやな、集合場所を決めてそこで落ち合おか?」

守屋「わお!!」

地図を取り出し、禁止エリアになっていないところへ三か所A、B、Cと書き込む。

それから起き上がって軽くリハビリをした。
食事を摂り、またしばらく休んでから出発する。

 

261: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 17:36:38.12 ID:/vDatM+/a

米谷「気を付けてね。どこで誰に狙われてるか分からないから」

人に喚起して、自分も改めて探知機を確認する。

米谷(――え。一、二……三!?)

眼鏡型探知機に赤い点が三つ光る。
それは自分と守屋以外の人物が近くにいるということを示す。

米谷「もり――」

驚きのあまり小声の呼びかけは、守屋に届かず間に合わなかった。

守屋「!!」

一歩外に出た瞬間に真横から視線を感じ、背筋が震えあがる。
振り向きざまに持っている銃を向けると、暗闇の中に第三者がいた。

??「タア!!」

敵は長棒を振り、守屋の手から銃を弾き飛ばした。

 

262: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 17:40:12.77 ID:/vDatM+/a

守屋「ひゃッ!」

続いて敵は長棒を大振りするも、守屋が尻もちをついたので偶然かわされる。

守屋(――この子、銃を持っていない!?)

尻もちをついた状態からもう一方の手でもう一丁の銃を握ろうとし敵へ向ける。
敵も武器を出されると察知し、長棒で突きを繰り出す。

守屋「やめて――!!私は闘いたくなんてない!!!」

土生「殺し合いはしたくなぁい!!!」

土生は長棒を顔に寸止めし、対する守屋は包帯が巻かれた右手を突き出していた。
二人の台詞が重なり互いに何て言ったのか分からなかったが敵意がないことは解った。

米谷「はっ!」

守屋「あっ!!」

土生「わっ!!!」

三人は互いに顔を見て、顔が明るくなる。

 

263: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 17:42:11.63 ID:/vDatM+/a

守屋「瑞穂ぉおおぉ!!」

土生「茜ー!!」

米谷「土生!」

土生「よねさん~!!」

再会を喜び合い目頭が熱くなる。

土生「あっ、ごめんね……。棒振り回したりしちゃって……」

そう言うと自分が弾き飛ばした銃を拾い守屋へ返す。

守屋「あ……ううん!こっちこそ銃向けたりしてごめん!」

銃を受け取り俯く。

守屋(私、銃も……手もなくしちゃったんだった……)

先刻は無い手で無い銃を掴んで土生へ向けていたのだ。

 

264: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 17:44:00.72 ID:/vDatM+/a

土生「屋内に誰かいるのが分かって、様子をうかがってたんだよね」

土生と互いに情報交換をした。
どこで誰と会ったか、メンバーの武器は何か知り得たことを包み隠さず全て話した。
その上で、守屋は土生を仲間に誘うも丁重に断られてしまう。

守屋「なんで!?一緒にいれないって、どういうことなの!?」

米谷「……」

すぐに問いただす守屋に対して、米谷は見当をつけていた。
土生は行動を共にできない理由を語る。

土生「探してる子がいるんだ」

守屋「もしかして、友香?なら私も探してるから一緒に行こうよ!」

土生「うん……。いや、でも……私は茜を助けることができない……」

守屋「え……?何……?」

一緒にいれないことに何の関係があるのか理解が追いつかない。

 

265: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 17:45:45.24 ID:/vDatM+/a

口下手な土生の代わりに、米谷が察して補足する。

米谷「一緒に行動するいうことは命を預けるということ」

守屋「え、私の事信用できてないってこと?」

土生「いや!二人が一緒にいることから信じるも何もないよ!」

守屋「それじゃあ――」

土生「私は背が高いから敵に見つかりやすい。そうなった時一緒にいる茜まで命の危険に晒されたら……助けられる自信がない……」

守屋「そ……それでもいいから一緒にいよっ!ねっ?」

土生「っ……」

断りずらい性格からして、否定はせず目をそらし口を噤む。
手負いの守屋は銃を持っているとはいえ足手まといだ。
一人で自由に探した方がはるかに効率良いと踏む。

 

266: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 17:48:54.84 ID:/vDatM+/a

米谷「守屋を思って言ってくれてるんだ」

守屋「ご、ごめん……。わがまま言って……」

土生の棒っ切れを見て、不安になる。
自分より土生が持っていた方が有意義ではないかと申し出る。

守屋「私はもうまともに戦えないから……これ使って?」

銃を差し出すと、土生は手を出してくれなかった。

土生「……。それは受け取れないよ!」

守屋「え……!そんな棒っきれじゃ――」

土生「私は大丈夫だから。茜が先に友香を見つけられるかもしれないし、みんなを守るために使って!お願い!」

守屋「う、うん……」

あらかた用事が済み散り散りになりそうになった時に、土生が言い残していたことを二人に伝える。

 

267: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 17:53:51.99 ID:/vDatM+/a

土生「私……みいちゃんを探してるんだ。どうしてもあの子こと守りたい……!」

米谷「!!」

守屋「瑞穂……!!」

土生「もう二度と会えないなんて絶対嫌だ!例え今日が人生最後の日になっても、最後の瞬間まで守りたーい!」

米谷「頼む土生。守ってあげて!美波はきっと今も震えてるから」

小池と同じ関西人の願いを聞き、固く頷いて答える。

米谷「これ持って行き」

土生「へ?いや、てか、これ、なに?」

唐突に眼鏡を渡されそうになり困惑する。

米谷「おっと、ただのメガネやないで。探知機や」

 

268: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 17:56:48.91 ID:/vDatM+/a

土生「タンチキ?」

米谷「うちは動かれへんから、美波を見つけてあげて」

米谷にとっても探知機は命綱ほどの価値がある。
敵の接近に気づけるから敵から見つからないようにすれば生き残り続けることが可能である。
菅井と小池を探す土生に託す価値があると判断する。
加えて、とびっきりのプレゼントを二人へ贈る。

米谷「そして、これが脱出のチケットでもある」

守屋土生「「だ、脱出ぅ!!??」」

米谷「ねるに思いついて、うちに思いつかんわけないやん」

守屋「どうやってするのお!?」

土生「ホントにできるの!?」

 

269: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 17:59:42.89 ID:/vDatM+/a

米谷「ねるの言うとった脱出方法の二つの条件。一つ目が自分らのグループが最後まで生き残ること」

守屋「うんうん!でも、二こ目は聞いてない……」

米谷「二つ目は”その最後の瞬間が来るまで脱出方法は教えない”やな。たぶん」

守屋「は??え、教えてくれないってこと!?」

土生「…………ん?どうゆうこと??」

はてなが渋滞する二人。
うまい言い方はないかと直球で言う。

米谷「分からんくてええ。それが条件やから」

守屋「うーん……、よく分かんないけど分かった!」

土生「私も!!」

米谷(物分かりいいのか分からんな……)

予め決めた地点に探知機を使い落ち合うと念を押す。

 

270: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 18:02:34.25 ID:/vDatM+/a

米谷「美波と友香を見つけたらポイントAかBに来てな。もし二つとも禁止エリアになったらポイントCに」

守屋「みいちゃんを見つけ出せるのは瑞穂しかいない!絶対合流しよう!!」

土生「絶対に見つけて脱出してやるー!」

守屋「友梨奈もそうだけど理佐がこのゲームに乗るなんて、こんなシナリオを考えた人がいたとしたらその人を殺したいよ!」

土生「ホントだよお!!てちと理佐のファンに殺されそうだよね」

守屋「瑞穂はまだ信じられないよね。あの理佐が……」

土生「うー……ん。正直、あんまりね……」

守屋「私も何かの間違いであってほしかったよ。でもあれは他の誰でもない……、渡邉理佐だった」

米谷「転校生もまだ生きてる」

土生「気を付けるよ」

 

271: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 18:06:15.84 ID:xGR0+wPW0
理佐は渡邉であってるよ、続き楽しみ

 

272: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 18:06:31.59 ID:/vDatM+/a

忠告を真摯に受け止め、対峙した際は決して油断しないことを誓う。

守屋「絶対にまた会おうね!約束だよ!!」

土生「うん!」

同い年の二人は固く小指を絡め合わせる。
ここを離れたらもう二度と会えないかもしれないと思ってしまう。
そうならないために希望を持って土生を信じる。

守屋「守ってね。約束も、美波のことも!」

土生「任せといて!」

米谷「行ってらっしゃい」

守屋と土生は反対方向へ出かけた。
米谷は母のように二人の背中が見えなくなるまで見送っていた。

 

273: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 18:20:57.35 ID:/vDatM+/a

・・・・・・

04:00

船の管制室では予期せぬ事態が起きていた。
睡眠休憩を終えた澤部が黒服らに問う。

澤部「ねるのチョーカーはどーなってる?」

黒服1「チョーカーのGPSは2時頃にロストしました。原因は不明です」

澤部「コンタクトもその前に外れたのか?」

黒服2「映像を遡ると19時の時点で外れたままです」

澤部「コンタクトの存在に気づいてる様子はあったか?」

黒服2「いいえ。目を手でこすった時に外れてすぐ地面に落ちたっきりです。鏡も見ていませんから気付いてはいないでしょう」

澤部「齋藤のババアが殺されて相当荒れてたからな~。チョーカーは無理やり外そうとして壊れちまったか?」

 

274: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 18:23:37.52 ID:/vDatM+/a

黒服1「長濱に支給したウォッチは西の森からずっと動いてません」

澤部「心拍数は判るか?」

黒服1「それがウォッチを外しているようで反応がありません」

澤部「何ぃ~~!?これじゃあほんとに死人と変わらないじゃないか!つまんねーー、ッ!?」

その時、ダラララララと銃声が聞こえた。
島ではなくもっと近距離で響いたようだった。

澤部「な、なんだなんだあ!?やけに近かったぞお!!」

黒服1「まさか、襲撃!?」

黒服2「澤部さんはここで待機を!」

澤部「お、おう!」

二人は管制室に澤部を残して甲板を目指す。

 

275: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 18:30:30.14 ID:/vDatM+/a

甲板では銃撃戦が繰り広げられていた。
黒服3の拳銃に対し、襲撃者の機関銃が圧倒する。

黒服3「んでぅょぎ!!!」

意味不明な言葉を叫び、見張りに立っていた黒服3は蜂の巣になった。
そこへ黒服1と黒服2が駆けつける。

黒服1「誰だッ!?」

黒服2「メンバー!?」

白い水着ではなく下着姿でずぶ濡れの少女が機関銃を持っていた。

傍らには、同胞の死体が血だまりを作っている。
黒服らが拳銃を向けるより早く、再び機関銃が火を噴く。

 

276: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 18:32:13.46 ID:ohNDE4LgF
熱い展開 期待

 

277: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 18:34:28.12 ID:/vDatM+/a

黒服1「ンりべっ!!」

黒服2「だたぅ!!?」

あっさりと制圧され黒服1は死に、黒服2は辛うじてまだ生きていた。
黒服とは銃を持たせたただの素人で実践経験のあるプレイヤーに分があった。

澤部「!!!」

甲板に血を流して倒れている黒服三人と白い下着姿の少女が立っていた。

??「!!」

襲撃者は澤部が出て来たことに気づき、上甲板を見上げる。

長濱「さわ――ベぇええええええええへぇぇぇぇッ!!!!!」

叫び声は後半裏返り、海原に響き渡る。

澤部「んんんんねるゥ――!!!!!!」

 

278: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 18:36:11.15 ID:MMOcK2YZ0
ねるキター!

 

279: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 18:36:35.43 ID:/vDatM+/a

長濱の首には黒いチョーカーではなく、銀色に光るモノが巻かれてあった。

澤部「あ!!!あいつぅ~~~!!!」

長濱は当座のモノでチョーカーを完全に覆い電波を遮断させていた。

澤部(コンタクトが外れなければ気付けたのに!!やはり、アイツ――)

首輪の細工に気付かれないために意図してコンタクトを外したとしか考えられない。
長濱は澤部へ向けて、機関銃の引き金を絞る。

澤部「うをぉい!!!」

上甲板にいる澤部はしゃがんで弾丸をかわす。
一発だけ短い髪を掠めるも、当たらない角度に隠れられる。

長濱「っ……!」

黒服達との闘いで撃ちすぎたせいで弾切れした。

 

280: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 18:38:59.49 ID:/vDatM+/a

急いで死んでいる黒服の銃を奪いに走る。
澤部はそれに気づき阻止しようと発砲する。

澤部「うらうらうらァ!!!」

長濱「!!」

長濱は機関銃を楯に、斜め上から降って来る弾丸から頭部を守る。
三発の内一発が横腹を貫通する。

長濱「ぐふっ!!!」

長濱は後編へ転がり倒れる。
丸腰下着姿の長濱は澤部に話をかける。

長濱「さ、澤部ェ――!今すぐこのゲームをやめさせてぇッ!!!」

過去見たことがないほどの怒りを澤部にぶつける。

 

281: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 18:43:13.18 ID:/vDatM+/a

澤部「バカかお前はあああああああ!!!できるわけねえだろおおおおおおお!!!!」

長濱「……!!澤部、さん……!!二年半一緒に番組やってきたじゃないですか……、今ならまだ間に――」

澤部「お前らいっっっっっっっつも葬式みたいにただ座ってるだけだったじゃねえか!!!MCへの感謝もなくほんとに態度が悪いっ!!!」

長濱「そ、それは……、クールを売りにやってたからで………」

澤部「俺にとっちゃお前らの番組なんか数あるうちの一つだっつーの!俺がどうんだけ苦労して盛り上げてるかァアア!!!」

長濱「お願い、します……。助けて、下さい……!」

澤部「……ッ!!」

男は揺れていた。ここで少女を助けるか、見捨てるか。
最初の一人ならまだしも、グループの半分がすでに死んでいる。
取り返しがつかない仕事をしている以上、許す選択などもうなくなっていた。

澤部「ダメだ……!」

澤部は冷静に、そして真剣な顔つきで真っ直ぐ長濱に銃を向ける。

 

282: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 18:46:36.88 ID:xGR0+wPW0
え、ねる死んじゃう!!!
続き早く~~~

 

283: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 18:47:10.49 ID:/vDatM+/a

長濱「澤部~~……!!!」

涙を流し、憎しみの目で澤部を睨み付ける。

長濱「これが最後のチャンスだったのに」

澤部「ん?」

ぼそっと言ったことを聞き取れなかった。
長濱は会話中ゆっくりと船尾ににじり寄っていた。

長濱はブラジャーの左右ポケットからあるモノを取り出した。

澤部「な……ん、だ?ソレ~~!?」

やけに胸があると思ったが、中に何かを入れていたのだと合点がいく。
それをわざわざ大事にここまで持って来たということは切り札だと判る。

流れるように二つの半球を一つに合わせて、一つの球体にする。

長濱(この――”ブラックねるちゃん弾”で、終わりにする……!!)

それを甲板へ叩きつけようと天に掲げる。

 

284: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 18:51:16.66 ID:/vDatM+/a

澤部「!!!わああああああ!!!」

危険を察知した澤部は阻止しようと残弾三発全てを長濱へ撃つ。
右の肩口を貫き、左の頬から耳を吹き飛ばし、ラスト一発は首輪についてる手製電波遮断物を粉々にした。

長濱「がっ……!!!」

長濱の体は後方に傾くも、投げるのをやめなかった。

長濱「あああああああああああああああああああ!!!!!!!!」

叫びながら甲板にブラックねるちゃん弾を叩きつける。
すると、黒い煙が一斉に散らばった。

長濱はそのまま後ろへ倒れ、船から転落した。

澤部(煙ィ!!?まさか、毒ガスぅ~~!!?)

黒服2「ごべぉ!!!」

倒れていた黒服はガスを吸うと、中毒を起こししばらくして死に至る。
船尾は風上になっており、澤部がいる方へ広範囲にガスが広がる。

澤部「ヤベエ!!!」

その様子を見て、急いで船内に逃げ込む。
船内に入ったところで、ガスは隙間から侵入し澤部と休憩中の黒服4に迫る。
ガスが船全体を包み、船は襲撃以前の静寂を取り戻す。

 

285: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 18:56:15.61 ID:/vDatM+/a

島の各所から船の異常を観測できた。
銃撃戦の発砲音を聞き、黒い靄がかかってるのを見るメンバーたち。

土生「何何何!!!???」

渡邉「わお……!」

平手「……」

菅井「あっちで何かが起きてる……!!」

守屋「ヤッバ……!」

米谷「誰や!?誰がやらかしてる!?」

長濱は海に揺られながら考えていた。

大人たちが死ねば自動的にシステムは停止するだろう。
午前6時の放送がなければ、澤部達が死んだことに気づいて誰かが船まで行けば通報できる。
これでみんな助かる。冬優花の敵討ちもできた。もう思い残すことは何もない。

――やっと、会えるよ。ふーちゃん……。

 

286: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 19:05:08.46 ID:/vDatM+/a

??『まだだ。まだお前はこっちに来るな』

冬優花の声がし、離れた向こう岸に立っていた。
自分はその川の中ほどまで来て、膝上まで浸かっている。

長濱『ふーちゃん!!どういうこと!?ねるもそっちに行きたいよぉ!!』

齋藤『まだやるべきことがあるはずだ』

長濱『な、んで……?もう、疲れちゃったよ。痛いよ、辛いよ、苦しいよ……!!!』

齋藤『それでも、生きるんだ』

長濱『生きるって何!?』

齋藤『生きるとは……いや、生きることこそが全て。死んだら何もかも終わりだから』

長濱『そんな……っ』

齋藤『どうか最後まで生きていてくれ』

長濱『…………っ、わかった……。ねるは生きる!』

予め船の脇に備え積んであった救命ボートを海に降ろしそこへ落下していた。
長濱を乗せたボートは波によって島に引き寄せられる。

残り12人

 

288: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 20:58:40.27 ID:pYXyGRiE0
最後えらい目に遭っちゃったけど、なーこがめっちゃ見せ場あって嬉しいです
オダナナがどういう登場するのか楽しみだ

 

290: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 21:00:28.31 ID:kNJ7MOMqM
みいちゃん生きて見つかってくれ…

 

292: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 22:06:57.94 ID:xGR0+wPW0
今んとこ生きてんのはてち、オダナナ、みい、もな、ゆっかー、もん、ねる、はぶ、ねん、よね、理佐、転校生?
未だ未登場いるの気になる

 

300: 名無しのまとめラボ 2018/09/03(月) 00:04:29.25 ID:IpvNenMBa

第六話

05:30

土生(ち、近い!近くに誰かがいる!!)

島南西の山の中で眼鏡型探知機に反応が現れる。
驚きに心臓が止まりかけると同時に足を止める。

土生(動かない……。反応がずっと止まってる……)

警戒を解かず慎重に反応の在る方へ歩み寄る。
森が開けて海が見える断崖絶壁に出る。

土生(い、いたっ!!!!!)

断崖の近くに少女が倒れていた。
頭は海側にあり誰なのかも、起きているのか寝ているのか生死すらわからない。

断崖の近くを好んで眠るようなメンバーを知らず嫌な予感しかしない。

土生(まさか!!!いや、そんな――っ)

探し人かもしれないと頭によぎり、足早に顔の確認を急ぐ。

 

301: 名無しのまとめラボ 2018/09/03(月) 00:06:15.18 ID:IpvNenMBa

探し人かもしれないと頭によぎり、足早に顔の確認を急ぐ。

土生「あっ……ず、ずーみん……」

それは今泉の死体だった。
探し人でなかったことにどこか安心しているところもあった。
その気持ちを自覚し自分を恥ずかしく思うも、だからと言ってどうすることもできない。

ただ今泉の遺体の前に膝をついて手を合わせる。

土生「ごめん、ずーみん。あの時、助けに行けなくて……」

ゆいちゃんずの決死の呼びかけは土生の耳にも届いていた。
危険ということは解り、まだ死ぬわけにはいかず行かなかった。

亡き今泉との思い出を振り返る。

土生「……」

 

302: 名無しのまとめラボ 2018/09/03(月) 00:08:08.91 ID:IpvNenMBa

初期の頃はずっとイアホンして話しかけさせてくれなかった。

慣れて来た頃になると、楽屋ではいつも歌ってみんなを笑顔にしてくれた。

冬優花から誕生日プレゼントでぬいぐるみをもらった時、すごく嬉しそうに見せに来てくれたっけ。

今泉『見て見てー!!』

土生『え、何!?可愛い!!』

今泉『へっへー!いいでしょ~~?』

土生『え?あ、うん!いいな~~』

今泉『あげないよー』

すぐに別のメンバーにも見せに行ってしまった。
「可愛い」と言ったのはぬいぐるみにではなく、それをいろんなメンバーにアピールする”ぼの泉”に言ったのだ。

 

303: 名無しのまとめラボ 2018/09/03(月) 00:09:36.35 ID:IpvNenMBa

サイマジョのイントロで顔を上げた瞬間の”ドヤ泉”
白塗りを希望して編集でされた”白泉”も、
疲れ果てている人々を癒す「ずーミンミンゼミ」になった”セミ泉”も、
髪がぼっさぼさになったときの”ボサ泉”も、
頭No決定戦での珍回答を繰り出す”アホ泉”も、
よく愛佳に抱き着かれていた”抱き泉”も、
隙間からちらっと顔をのぞかせる”チラ泉”も、
ぷくっとほっぺを膨らませてる”ぷく泉”も、
鈴木亜美さんから教わった「笑えよ~」の”笑泉”も、
お酢ソーメンや激辛を食べた後の舌を出している”アへ泉”も、
紅白の会見前に顔の運動でやっていた変顔の”変泉”も、
BINGOの猿蟹合戦お遊戯会での”カニ泉”も、
夏のライブで火照った頭にタオルを巻いている”ほて泉”も、
お肉が大好きで目がハートになってる”肉泉”も、
ちょっとセクシーなグラビアの”エロ泉”も、
ブログの検閲に引っかからなかった白目の”イキ泉”も、
澤部さんのギャグに大爆笑していた”ゲラ泉”も、
どの”○○泉”も可愛くて愛おしくて大好きだった。

土生「ありがとう」

心から礼を言い、別れを告げる。

 

304: 名無しのまとめラボ 2018/09/03(月) 00:12:57.11 ID:IpvNenMBa

土生(行こう。あの子はまだ生きてる。お願いだから、どうか無事でいて――)

外していた眼鏡型探知機を装着し直す。

土生「!!?」

すると自分と今泉の反応以外に、三つ目の点がすぐ近くに表示されていた。
現れた点の位置が真後ろだと瞬時に把握し振り向きながら長棒を大振りすると相手が持っていた銃を弾き飛ばす。

??「!!」

3メートル離れていたものの当たったのは、土生の長い腕と長棒そして相手の持っている銃身が長かったからである。

土生(ライフル……!)

続けて間合いを詰め、バッグもろとも相手を蹴り飛ばす。

??「きゃっ!!」

相手は短い悲鳴を上げて飛び倒れた。

 

305: 名無しのまとめラボ 2018/09/03(月) 00:15:20.56 ID:IpvNenMBa

土生はスナイパーライフルを拾い上げ銃口を向ける。
相手は同時に両手の平を土生へ向けて言う。

??「待ってえっ!!」

土生「え……!?あっ……!!」

対面して初めて相手の顔を視認した。

渡邉「殺さないで……。話しかけようと、しただけなの……」

診療所で守屋との会話を思い出す。
ゲームに乗っているメンバーは一人ではない。

守屋『友梨奈ともう一人いるんだ……。それは――』

土生「……理佐!!」

心臓の高鳴りが抑えきれない。
渡邉が目の前で命乞いをしている。

 

306: 名無しのまとめラボ 2018/09/03(月) 00:18:00.84 ID:IpvNenMBa

渡邉「ほんとにただ話しかけようとしただけなの……、信じて……!」

土生「…………」

渡邉「人がいたからびっくりしてつい銃を向け――」

土生「もう嘘をつかなくていい」

渡邉「えっ……?」

土生「全て知っている。既にメンバーを殺していることも!」

渡邉「あっ……」

渡邉は俯き前髪で表情が見えなくなる。

土生「どうしてお前は平気で誰かを殺せるんだ!?」

渡邉は頭を垂らし、ため息をつく。

 

307: 名無しのまとめラボ 2018/09/03(月) 00:20:03.93 ID:IpvNenMBa

渡邉「バカだなー」

土生「ばかぁ!?」

いきなり態度が豹変した。
それよりこんな島にまできてバカ呼ばわりされるとは思っておらず一層驚く。

渡邉「そういうルールなんでしょ。このゲームは」

土生「お、お前ってやつは……っ」

渡邉「だから解ってないのは瑞穂。あんたの方」

土生「何っ!?」

渡邉「さっきから、どうして撃たないの?私はみんなの敵なのに」

渡邉は自ら歩み寄りスナイパーライフルを覗き込む。
土生は飛び退き、反撃されない距離を保つ。

 

308: 名無しのまとめラボ 2018/09/03(月) 00:21:59.03 ID:IpvNenMBa

土生「私はお前みたいに殺し合いなんかしない!!」

渡邉「ふーん」

土生「お前は誰だ!?」

渡邉「――え?どういう意味?」

土生「私の好きだった理佐はこんなことしたりしない!!」

渡邉「フッ、そうかもね。あの平和な日々だったらこんなことしないよ」

土生「お願いだから目を覚まして!!理佐ぁ!!」

渡邉「……。人生とは、何なのか――」

土生「……は?……じんせい!?」

渡邉「何のために生まれてきたのか、分かる?」

土生「何よ、そんなこと……分かるわけないでしょ。少なくともこんなところで死ぬために生まれてきたわけじゃあないっ!」

渡邉「だよね。だから、生き残るために殺るしかないじゃん」

 

309: 名無しのまとめラボ 2018/09/03(月) 00:31:27.04 ID:X/Ea8Inq0
土生ちゃん…イケメンだからか割と似合う気もする
1、インスタみてるな?笑

 

310: 名無しのまとめラボ 2018/09/03(月) 00:38:47.57 ID:Y+FDHl2h0
これ尾関生き返ったりします?

 

314: 名無しのまとめラボ 2018/09/03(月) 01:09:13.62 ID:IpvNenMBa

お疲れ様です!
今日はここまでにします。平日夜も少し話数進めます。
六話はこの後灯台が舞台になります。
ここまでのメンバーの生死をまとめます。

死亡 1~5話
9番 佐藤
1番 石森
16番 原田
4番 尾関
7番 小林
8番 齋藤
2番 今泉
3番 上村
13番 長沢
20番 渡辺

残り12人
5番  織田
6番  小池
10番 志田
11番 菅井
12番 鈴本
14番 長濱
15番 土生
17番 平手
18番 守屋
19番 米谷
21番 理佐
22番 転校生

>>309
インスタでなにかありましたか?

>>310
失った命は元には戻りませんからね……

 

296: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 23:26:33.15 ID:/l/CW5+G0
続き楽しみにしてます

 

298: 名無しのまとめラボ 2018/09/02(日) 23:51:13.25 ID:+HOtWAkDd
早く続き読みたいww

 

引用元: http://2chspa.com/thread/keyakizaka46/1535728023

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