2018年3月1日
TV
「おはようございます。3月1日木曜日、最初のニュースです」
「秋元康プロデュースのアイドルグループ『欅坂46』の失踪から一週間が経ちました」
「今回の事件で失踪したのは欅坂46のメンバー全21名、けやき坂46のメンバーである渡邉美穂さん(18)。芸人ハライチ澤部佑さん(31)です」
「2月21日の夜、テレビ番組の収録終了後から少女らの足取りがつかめず、監視カメラ等から行方を追っておりますが未だ見つかっておりません」
前編→【良スレ】欅坂46・守屋茜「バトルロワイアル?」【前編】
中編→【良スレ】欅坂46・守屋茜「バトルロワイアル?」【中編】
中編2→【良スレ】欅坂46・守屋茜「バトルロワイアル?」【中編・2】
後編1→【良スレ】欅坂46・守屋茜「バトルロワイアル?」【後編・1】
後編2→【良スレ】欅坂46・守屋茜「バトルロワイアル?」【後編・2】
後編3→【良スレ】欅坂46・守屋茜「バトルロワイアル?」【後編・3】
完結編1→【良スレ】欅坂46・守屋茜「バトルロワイアル?」【完結編・1】
「失踪三日後の2月24日未明、神奈川県沖に無人の船舶が漂流し、事件との繋がりがあるとみて捜査を続けております」
「いや~これは大変な事ですよ!しかも紅白出場歌手でしょう?」
「それよりこんな大勢の子が忽然と行方不明になるなんて前代未聞じゃないですか?」
「もう一週間になりますけど、彼女たちには生きていてほしいですね」
大阪府私立○○高等学校 体育館
米谷の通う私立高校では卒業式が行わていた。
同級生が行方不明になっている米谷の心配をしている。
LJKA「米谷さん、まだ見つかってないんだよね……」
LJKB「やっぱりグループごと誘拐されちゃったのかな……」
LJKC「せめて生きていて欲しいよ……」
LJKD「あ~奈々未ちゃんと一緒に卒業したかったなぁ……」
毎日会っていたわけではないが同級生も米谷との思い出がある。
クラスの終盤となり、名前の順の最後で呼ばれる。
校長「米谷奈々未」
欠席しているが、卒業できるため名前だけは呼ぶ決まりになっている。
校長は卒業証書だけを右から左の移そうした時だった。
??「はいッ!!」
大きな返事が体育館に響く。
一同が振り返ると後方の出入口に同じ制服を来た一人の少女が立っていた。
生徒E「お、オイ!あれって!!」
生徒F「ま、ま、まさか!!」
生徒G「ほんまかいな!?」
生徒H「欅坂46の、あの――」
全校生徒だけではなく、教師や保護者もざわつく。
彼女は中央の花道を一人ゆっくりと前へ歩く。
??「フッ……」
ざわつきが歓声に聞こえ懐かしさを覚えて心地よく感じる。
わずかに照れくさく片口の端を上げて笑みを浮かべる。
LJKA「よよよよよよよよよよよよよよよよよよよよよよよよよよよ米谷さん!?」
LJKB「マジ卍まじ卍!!」
LJKC「やばみざわやばみ!」
LJKD「奈々々未ちゃん!!」
米谷「”な”がいっこ多いねん」
同級生の横を通り過ぎ際にツッコミを入れる。
階段を登り、壇上で呆気に取られている校長先生と対面する。
校長「そ、卒業おめでとう……、米さん……?」
米谷「ありがとうございます」
苗字ではなく愛称で呼ばれたことに笑顔で応え、卒業証書を受け取る。
その後次のクラスの生徒の名前が呼ばれ式は続けられる。
クラスの席に戻らずそのまま体育館を後にしようとする。
担任の先生に声をかけられるも、具合が悪いと言ってかわした。
??「奈々未……!!!」
米谷が体育館から出ようとした時、保護者席でただ一人立ち上がり呼び止める女性がいた。
米谷「!!」
呼び止められ、足を止めて立ち止まる。
待ってました
生まれた瞬間から18年間、ずっと聞いてきた声だった。
誰だかなんて振り返らなくても判る。
でも振り返ることはできなかった。
今その人の顔を見たら涙で何も見えなくなってしまうから。
米谷(――お母さん。ほんまに来てくれたんやな……)
喜怒哀楽の様々な感情が湧きだし、数えきれず返しきれない恩を思い出す。
地元で一番の進学校に通わせてもらったのは母の英才教育のおかげだ。
それをある日突然「東京に行ってアイドルになる」なんて言ったのだから「はいどうぞ」なんて許されるわけがない。
でも、デビューしてからは徐々に応援してくれた。
余談だけど、だから余計に途中加入して来たあの子のことが許せなくて最初にあんな心ないことを言ってしまった。
今となってはただの八つ当たりだって分かってる。思い出すだけでも恥ずかしい。
けど面と向かって謝れたことで成長できた気がする。
3学期に数回登校するために帰省してたから1か月ぶり位だけどずいぶん会っていなかったように感じる。
海を渡り目標を達成するまで帰れない。
もしかしたらもう未来永劫会うことはなく、これが今生の別れになるかもしれない。
長い考えも現実時間では10秒程度で、ようやく実母へ振り返る。
母「!!」
米谷「ありがとう」
五文字で全ての気持ちを伝え、体育館を後にする。
母「な、な、み……っ!!!」
母親は崩れ落ち、涙で溺れる。
行ってしまう娘を追いかけることができなかった。
母らしく我が子の帰りを待つことにする。
校門に黒塗りの高級車が停まり、正装に身を包んだ初老の男性が立っていた。
?「奈々未様。お時間でございます」
米谷「爺や、ありがとう。お母さんを呼んでくれて」
“爺や”と呼ばれた男は、キャプテンだった菅井家側近にして令嬢専属の使用人である。
爺「良かったのですか。お母様とお話されなくても」
米谷「これでいいんです。話でもしたら、ずっとここにいたくなっちゃうから……」
爺「左様でございますか」
後部座席に乗り込み、車は発進する。
米谷「――っ」
もう二度と来ることのない学校と地元から離れ、涙のダムが決壊する。
爺はあえて声をかけずに、静かに平常運転を続けてくれた。
澤部に敵討ちして誕生日を迎えた日、神奈川県沖で船を降りた。
航海中に、茜の遺言書に書いてもらった守屋家へ連絡し迎えに来てもらい、数日間仙台にある守屋家に匿ってもらっていた。
守屋家は菅井家とキャプテン繋がりで親密に繋がりがあり、両家のみに全ての真実を話した。
アメリカに行くことも伝えると資金は援助してもらえることになった。
警察に入庁し刑事になって事件の黒幕を追うことも考えなくはなった。
しかし追われる身で両家に護衛されながら生活するのは非現実的であった。
黒幕は菅井家と守屋家に任せることにした。
関西の某空港に着くと、一緒に仙台から来てくれた茜の母親が待っていた。
守屋母「それじゃあ元気でね」
米谷「茜のお母さん、本当にいろいろとありがとうございました。それと茜のこと、すいませんでした……」
守屋母「もう!また謝ってる~ちゃんとあの子の遺言書を読んで解ってるから」
米谷「でも――……」
守屋母「負けず嫌いなあの子が命かけて頑張って奈々未ちゃんに託したのよ。だから奈々未ちゃんも死ぬ気で頑張ってきなさい!」
米谷「ハイ!!」
メンバーとはいえ他人の母親と抱き合う。
守屋母「黒幕はこっちに任せて、あっちでしっかりね」
米谷「ありがとうございます!お母さん――」
本当に我が子のように愛してくれて優しく、第二の母のようだった。
爺にも礼を言うと綺麗なお辞儀をして応えてくれた。
菅井家の自家用ジェットに乗り込み、小さな島国から世界へと飛び立つ。
守屋母「行ってらっしゃい。茜を頼んだわよ……」
爺「あの方ならきっと友香お嬢様を――」
保護者は願いを乗せた飛行機が見えなくなるまで見送っていた。
米谷(こんな世界、たとえ本の中であったとしても在ってはならない)
黒幕を追うことより、アメリカですべきことを優先した。
現世から切り離された榮島での2日目の朝、ねるを治療していた時の会話を思い出す。
米谷『親殺しのパラドックス――って知ってる?』
長濱『えっ……うん――」
ねるが肯定すると、信じられないといった顔で見て来る。
長濱『過去に戻って親を殺したら自分の存在が消えてしまう……。でも親がいなければ自分は生まれ来ずそもそも殺しにも行けないしタイムマシンの存在もなくなる、ってゆう矛盾のこと――だよね……?』
質問の意図を説明しながら察していたようだ。
米谷『そう。まず”自分が存在している=親を殺しに行けない”ことから、タイムトラベルは不可能だと結びつけることもできる説。ねるはどう思う?殺せると思うか』
長濱『…………。前提として因果律無視して、過去に戻れたのであれば親だろうが誰だろうが物理的に殺人を犯すことができる。ねるは、世界は同一時間軸しか存在しないと考えてるの』
米谷『過去も未来も存在せず、全て繋がってると……。つまり過去に行ったところで自分自身には会えない?』
長濱『トラベラーはね。相対性理論によれば未来に行く方法は確立されとる。未来に行ったところでおばあちゃんになった自分に会うことはない。それは過去も同じと考える』
米谷『なるほど――。聞いといてあれやけど、詳しくてびっくりした……!』
長濱『まあ……、白状すると。ねるも――いや、ねるはタイムトラベル理論を真剣に考えていた時期があった』
米谷『オーディションの時か』
長濱『ってバレとるか!あんな詩、歌っといてって感じだよね。恥ずかしい……』
米谷『乗り遅れたバス――』
長濱『鳥居坂46オーディション最終審査前、親に連れ戻されて何日も泣き続けた。どうしても諦めきれなくて時間を巻き戻したいと思い、ネットで11この理論を学んだ』
米谷『それで、どれかは行けそうなものはあったか?』
長濱『いや、どれも単なる思考実験に過ぎないよ。でも、応用すれば新しい12こ目の理論が思いつくかもしれない』
米谷「12個目の――」
長濱『トラベラーだけは世界を巻き戻すことができ親を殺しに行ける。そのまま未来に進んだところで、自分という存在は消えず矛盾は生まれない』
米谷『巻き戻る時間の干渉を受けない……』
長濱『でもね、その方法ならタイムマシンに乗って来た誰かさんはいなくなり、20人の中に戻れなくなる』
例え話として、50年の時間をかけてタイムマシンを作った70歳のねるが2018年に戻ったとする。
メンバー20人は若くてまだ生きているが、ねるだけはおばあちゃんのままで若いねるは失踪扱いとなるだろう。
長濱『うまく説明できんけど、途方もない時間がかかることは間違いない。現代の常識では……』
米谷『なるほど……』
一生をかけて共に歩めなかった道を開けても、自分は一緒に歩くことができない。
2018年に留まりグループの活躍を見るか。
または、50年後の未来に戻って同じ時間を生きるか。「急に失踪してごめん」と再会を果たすことができる。
再会を喜び合うのは未来でしかありえない。わずか二年半共にした彼女たちが覚えていてくれたら。
全ては夢のまた夢で、タイムマシンが完成しなければ泡へと消える。
長濱『……それか、もう一つの方法として……』
冒頭で複数の世界線が存在していないと言ったばかりだが、もう一つの方法を教えてくれた。
米谷『タイムリープマシン――!?』
その方法なら再び21人で活動することができる。
例えおばあちゃんになってマシンを完成させたとしても、17歳の時代に戻ることができると言う。
続けて恐ろしいことを釘刺される。
長濱『もしそれをやろうとしているなら……覚悟して』
マシン製造の難易度など宇宙で一番高いことだろう。
何よりもメンバーは2018年2月22日または23日に死ぬ運命にある。
例え殺し合いを阻止できたとしても何らかの力が働き死に収束するという。
米谷(それさえ回避できればまた21人で――)
長濱『マシンを造るにしても、死を回避するにも神に挑むようなものだよ』
米谷『ほんなら……私は神を殺す』
長濱『えっへ!?』
米谷『だから――ねる、一緒に殺ろう!』
長濱『!!ああ――ふーちゃん、そうゆうことだったんだね………』
米谷『Noか?』
長濱『Yes!だよ!!』
その約束はねるが死に一緒にはできなくなってしまった。
全てはマシンを完成させなければ何も始まらない。
途方もない勉学の人生が始まろうとしていた。
幸いにも勉強は一番の得意分であり燃えている。
米谷「……」
飛行機に揺られ、心地よいまどろみの中眠りに落ちる。
何もない所に皆がいた。
20人と対面し私を送り出してくれているようで、彼女の長文から始まる。
佐藤「まさか米さんがアメリカに行くなんて夢にも思わなかったよまあここは夢なんだけど。てか米とアメリカをかけてるのってわざと狙ってやってるんだよね?さすが米さんすっごいおもしろ~~い!」
石森「食べ過ぎてチョコマンになっちゃダメだよ?」
原田「ねえ聞いて聞いて!次会った時に聞いてくれるヨネ?」
尾関「臥薪嘗胆」
小林「See you again」
齋藤「バイバイフ――」
今泉「ふぉ!」
上村「ぶはぶは~~」
長沢「死んだのにお腹すいた。ハンバーガー食べまくりたい」
渡辺「レボ☆リューション!!!!!!」
鈴本「あーもう死んだわ。栗食べたい」
菅井「それじゃごきげんよー!」
志田「愛佳もなか真ん中!」
理佐「はーい、よく出来ました」
織田「世の中そうであれ!」
小池「こんばんはい、明石焼き」
土生「心臓を捧げた!」
平手「土生の妹だってこと誰も信じてくれないんだけどどうすればいい?」
長濱「100年待ってるよ」
守屋「またねん!あかねん!」
上村は下手くそだが一生懸命トランペットを吹き、梨加は最大の進化でエールを送ってくれる。
志田は初期のキャッチフレーズをやり切り理佐に褒めらて嬉しそうだ。
約数名は食べ物の話をしていたが、いつかまた食べさせてあげよう。
米谷「バイチャ――」
皆にしばしの別れを告げると夢から覚め、現実を生きる。
米谷「来たで。United State of America!」
渡米し、かの有名な通りに出てアメリカに来たことを実感する。
米谷「とりあえず、ハーバードに入らんと。まずは英語の勉強せなあかんねんな」
遠回りかと思うかもしれないが、島国よりずっと夢への近道だと判断する。
米谷(1から始める……。いつかまた21に戻るために――)
これから何もかもが始まろうとしていた。
それはオーディションに合格して、まだ見ぬ世界へ抱く気持ちに似ていた。
アンビバレントアバウト・・・・
かつて在りし日の平手友梨奈が言ったことを思い出す。
平手『”欅”って漢字は21画なんですよ。誰かが欠けちゃいけない存在なんです』
制服を着ていれば誰でもいいなんてそんなことはあり得ない。
無敵の21人の代わりはたった1人でも世界の誰にも務まるわけがない。
夜空を見上げて、冬の大三角形を見つめる。
脳内で『OVERTURE』が流れ気持ちが高ぶり気合が入る。
米谷(謙虚、優しさ、絆。キラキラ輝け欅坂46……)
今度は絶対に間違えない。
それでも目の前の険しく果てしない坂道を上り続けるしかない。
米谷「21」
欅坂46で、私は変われた。
諦めない、努力し続ける。
そうすると、きっと成功するということ。
私は、この大切な21を忘れない。
この21はアメリカに来ても、終わらないと信じている。
だって、私たちの21はそんな簡単に終わったりしないから。
欅坂46のみんなで、築いてきた大切な21は、一生、終わらない。
米谷「twenty One will Not End」
END
乙でした
めっちゃ面白かったです
よねさんなら取り戻してくれそう
モナリサ推しとして最後に涙出た…
実際の人物、団体とは関係ありません。
お疲れ様でした!感動した
土田が悪人だったのがちょっと嫌だったけど名作
ご支援感想保守お時間いただきありがとうございます!
最終話グダグダになり、多々変なところだらけてすみませんでした。
あとは守屋にもう一つ見せ場がほしかったのですがまあいっか。
米谷「不協和音は誰や?」というssを書いていたのですが、
はやり米谷はキーパーソンになりやすいんだなーと自分で思いました←え
今後も欅坂46とteam8の応援をよろしくお願いします!
それではさようなら~
超大作凄いです!😳
ああ~映像化してほしいw
ありがとうございました
次回作にも期待しております!!
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コメント
名無しのまとめラボ 2018年9月16日 11:56 ID: I0MDQzMTU
まさか自分の推しが生き残るなんて…
超面白かった
名無しのまとめラボ 2018年9月16日 16:36 ID: E3Mzc4NTY
平手が大人への嫌悪の余りゲームに乗り、違う方向へ正義を発露してしまう様は
現在の彼女の状態をそういう見方もできるかと考えさせられた
名無しのまとめラボ 2018年9月16日 18:44 ID: M1MzM1NDI
ここ読んでから「響」を劇場に見に行ったから、映画の中で2回、R18レベルの惨劇を予感させられたw
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